メリット・デメリットについては太陽光発電と似ています。メリットはとても大きい反面、導入費用や対応機器の数などが多少は問題になります。
HEMSの役割は上記でも紹介しております通り、「エネルギーの見える化」と「エネルギーの制御」です。まず「見える化」を実現するために分電盤と測定装置をつなぎます。メーカーによってもちがいますが、電力を測定したい場所にタップを外付けするといった場合や、これまでの分電盤をHEMS専用の分電盤に交換するという場合もあります。
測定装置は無線LANで中継器や情報収集装置とつながっており、屋内のタブレット端末やメーカーの専用サーバーに情報が送られます。
・電力(エネルギー)が見えるようになる
・ガスや水道、電気自動車との連携もできるようになる
・各電化製品の自動制御ができるようになる
・省エネや節電のモチベーションが上がる
・電力需要のピークカットやピークシフトが簡単にできるようになる
・子供が楽しく節電に取り組める工夫がある
中でも電力(エネルギー)が見えるようになることは大きなメリットといえます。現在使用中のエネルギー量が数値で確認できることだけでなく、昨日や先週など過去の数値と比べることも可能ですのですぐに省エネや節電対策が取れるようになります。
また、子供が楽しく節電に取り組める工夫という点です。その日のエネルギー使用量に対してポイントやスタンプなどで評価されるという機能がある機器がたくさんあり、このような評価に喜ぶ子供は多いため、積極的に節電や節水などの省エネ活動に取り組む例が多いようです。
一般的に電力需要が大きい夏場の日中は電力会社が供給する電力ではなくて家庭用蓄電池に蓄えてある電力を使うようにするというような方法でピークカットやピークシフトが可能となります。
・コストメリットが明確ではないこと
・注目が集まり始めたのが最近なので認知度が低い
・「ECHONET Light(HEMSの通信規格)」に非対応の電化製品がいまだに多い
まずコストですが導入に費用がかかります。それも各種機器は決して安くありません。
その安くない各種機器と、導入にかかる工事費を合わせた合計の費用。導入後に省エネ生活となりますがそこで得られる節約費用を比べることになります。その比較をした時に確実なメリットがあると自信を持てるかどうかわかりません。
他にはHEMSという言葉自体を全然知らない人や、聞いたことはあっても意味をまったく理解していない人が多いことが課題として挙げられます。よく知らないものに大金をはたいて自宅に導入しようと思う人はいないのではないでしょうか。
それから、HEMSで電気機器を自動制御したい時は「ECHONET Light」に対応している電気機器でないといけないという課題もあります。
今後市場に出回る製品は「ECHONET Light」に対応しているものが多くなっていく傾向が予想されますが、現行で使用している製品の多くは「ECHONET Light」に対応していません。